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2014年6月22日(日) 札幌市中央図書館にて【変革する図書館~デジタルネットワーク時代の情報サービス】と題した<知の拠点化推進事業セミナー>が開催されました。3Fの講堂は200名余りの出席者で溢れました。
 はじめに、在米ジャーナリストである菅谷明子氏の基調講演が行われ、続いて江本功館長による中央図書館の取り組みについての報告、そしてパネルディスカッションと続きました。

 菅谷氏は、デジタル化時代の米国における図書館の役割について、日米の比較を織り交ぜながら報告をされました。日本の図書館は「本の貸し出し」が中心だが、米国では図書館は「調べものをする」所であり、人が集まり「イベント」が催される場所であるという指摘や、「公共図書館」という場合の「公共」の受け取り方が日米で異なるという指摘など様々な例を挙げました。
 公共図書館の設備・機能を、市民が自身の健康のためやビジネスに利用したり、生き甲斐を実現するための場として利用する人々の例や、利用者を積極的にサポートする図書館員の紹介も興味深いものでした。

 豊田恭子氏(ビジネス支援図書館推進協会理事)をコーディネーターとして、菅谷氏、大串夏身氏(昭和女子大学特任教授)、上田文雄札幌市長、林下当協会代表理事(一般社団法人北海道デジタル出版推進協会代表理事)の各パネラーによるディスカッションも刺激的でした。
 上田市長は市の職員は真面目さだけではなく「それを市民に伝える力が必要」と力説し、大串氏も図書館が持つ力(有用性)を「外に向け積極的に説明する」必要性を強調されました。林下代表は出版の立場から地域における図書館とのコラボの実践例としてのHOPPAによる活動の紹介をされました。

 菅谷氏は、本の「読み方」についての見直しや、「書き手」を育てる教育の必要性についても言及され、日本の図書館関係者に対する提案であるだけでなく、一般の利用者としても考えさせられる内容の講演でした。
 なお、会場の一角にHOPPAによる「電子書籍体験コーナー」が用意され、見学者に利用していただきました。

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